C++のテンプレートとは、型や値をパラメータ化することで汎用的なコードを書くことができる機能です。テンプレートは、関数やクラスや変数やエイリアスなどに適用することができます。テンプレートを使うことで、コードの再利用性や柔軟性や効率性を高めることができます。しかし、テンプレートは単に型や値を置き換えるだけではありません。テンプレートは、コンパイル時に様々なメタプログラミング技法を使ってコードを生成したり操作したりすることができます。この記事では、C++のテンプレートの上級的な使い方について、以下のトピックを取り上げます。
テンプレート特殊化とは、テンプレートパラメータに特定の型や値を指定した場合に、その型や値に対応した特別な実装を提供することです。テンプレート特殊化を使うことで、一般的なテンプレートよりも効率的や適切なコードを書くことができます。例えば、以下のコードでは、maxという関数テンプレートを定義しています。この関数は、二つの引数のうち大きい方を返す関数です。
template <typename T>
T max(T a, T b) {
return a > b ? a : b;
}
この関数は、任意の型Tに対して動作しますが、Tが文字列型(std::string)の場合には、文字列の長さではなく辞書順で比較してしまいます。これは意図した動作ではありません。そこで、文字列型に対しては、以下のようにテンプレート特殊化を使って、文字列の長さで比較するように実装を変更することができます。
template <>
std::string max(std::string a, std::string b) {
return a.length() > b.length() ? a : b;
}
このように、テンプレート特殊化では、template <>という構文で特殊化する型や値を指定し、その後に通常の関数やクラスや変数やエイリアスの定義を書きます。コンパイラは、テンプレートパラメータが特殊化された型や値に一致する場合には、特殊化された実装を優先して使用します。